一般人によるアニメ鑑賞

毎期のアニメや以前見たアニメについてつらつらと感想等書いてます

映画「みんなのいえ」の感想

急に映画を見た感想を書いてて、ブログのタイトルと違いますねと言いたい気持ちが私にもあります。

 

久しぶりに見た「みんなのいえ」があいかわらず良かったので、どうしても書きたかったのです。

 

ロマンスの神様AKB48のbeginningを歌って、騒がれていた三谷幸喜さんの作品。

私がまだ結構小さい頃、たぶん小学校の低学年くらいで一回目を視聴した。

その後にもたぶん一回くらいは見てるんじゃないかなあ。中学生とかもうすこし物心や分別がつくくらいの年齢の時に…

 

内容は見ていただけたらなと思います。

 

三谷幸喜作品は、「ザ・マジックアワー」くらいしか見たことがありません。

コメディが多いのは知っています。ウィキペディアだと、「みんなのいえ」もコメディと書かれています。

 

今24の歳になって久しぶりに見直しましたが、この映画はたぶん今の子どもたちが大きくなって見てもあまり面白くないんじゃないかなと思います。

逆に今の50代くらいまでは、何回見ても飽きなさそう。なんせ見るところが沢山あります。

映画の評判をググってレビューを少し見たんですけど、人によって結構捉え方がマチマチでした。

 

・家を建てる時の流れを面白おかしく描いているのかな。

・職人として、アーティストとして、物を作るとはどういうことか描かれている。

・昔の考え方の人と今の考え方の人のぶつかりあい。

・展開は結構読めた。

 

とか、まあなんかこんな感じ。

 

確かに展開はベタです。雨降って地固まるじゃないけど、なんか一悶着あってそれを乗り越えて最後は良かったですね〜ハッピー!で終わり。

 

そこだけ見るとつまらないでしょう。

 

もう、みんなのいえというタイトルが秀逸です。

今はもう古い考えかもしれないけど、昔は結婚して早く家を建てるなんて多くの人が目指してた事だったと思います。30代のうちに持ち家建ててる人がいたら、すごいねえ!と周りから言われるでしょう。

しかし、家を建てる時に夫婦の危機が訪れるとはよく言います。

映画の中でもそこがかなりリアルに描かれていて、面白かったです。だいたい奥さん側がこだわるもんですよね。私は実際には経験した事ないからわからないけど。旦那さんが家についてあまり関心がなくて、奥さんが呆れているところが好きです。あと、それぞれ夫婦のご両親もキャラが最高でした。ここめっちゃ見所。

奥さんのお母さんは炊き出しを手伝ってくれて、きちんと娘におもてなしを教えるお母さんて感じです。みかん食べるシーンが好き。昔ながらのノスタルジックお母さんて感じが1番出てた。あと、夫婦が車に乗ってる実家を出るときに家の下まで降りてきて見送るところもよかった。

旦那さんの奥さんは風水大好き芸人。あの派手なお母さんなら、息子さんは一度も会社勤めをせず放送作家になるだろうなという感じです。娘じゃなくて息子を産んだからこその親バカ感ありますよね。そりゃあ、夫婦宅にドカドカくるタイプですよね。

 

家族的に1番面白いのは姉夫婦ですかね。子供たちを制御できてないところ最高でした。長女らしく自由にやってらって感じも、妹と違って面白い。妹は学校の先生になって放送作家さんと結婚して家建てるくらい堅実ですからね。

3人の子供かかえててんやわんやのお姉さん夫婦もリアルです。

 

奥さんが自分のお父さんに施工を頼む流れは、子供の頃は分からなかったけど父親の仕事についてわかるようになった今頼むことを選んだような感じがしました。これは推測ですけど、奥さんは父親のことあまり好きではなさそうなんですよね。たぶんあの古めかしい感じが苦手で育っできたのかなあと。反発精神で設計だけはモダンなのがよくて、ただ施工の腕に関しては信頼しているから父親に頼んだのかなって。

 

 

それはモダン好き設計士にも言えるのかもしれません。竹割タイルのくだりは、彼が小さい頃によく見てたと言っていました。彼の家も築年数がある古いお家だったのでしょう。その反動でアメリカに行ってバイトしたり、海外の様式に興味を持ったのかなと推測します。地鎮祭のシーンで、榊を回すことを知らなかったりするのは現代の人だなと思って面白かったですけど、教えてくれる人いないとわかんないですよね。

 

実は古いものに囚われていて、モダンに走ったのかなと。

 

一方、施工を頼まれたおじいさんは明らかにステレオタイプ。でも内装を決めるところは、スピード重視で手に入るものの中からポンポン決めます。

映画の中で出てきますが、設計士に型にはまったものばかりが嫌だと、手間のかかる事は無駄じゃないとおじいさんは言われます。

量産された誰でも手に入れられるようになってるものやシステムって実は現代的ですよね。大手チェーン店のようです。

そんな矛盾がこのシーンには表されています。(たぶん)

 

そうは言っても、やはり先人の知恵というのはすごくて大事なんだろうなと私は思いました。大工職人の技なんで今までの人たちの集大成です。それはしゃくりに出てたかな。家具をなおすシーンです。和式でも様式でもしゃくりは一緒。構造の行き着くところは一緒だったわけです。

 

最後に、夫婦間で自分の家なんだから真剣に考えてよ〜みたいなことがちょいちょい出てきます。僕らの家なんだから!と。

しかし結局、義父母の意見を取り入れたり、家を建てる人たちも含めて飲み会をしたりと、結局はみんなで作る家なんだと。

映画を見てると思います、この夫婦もっと自分たちの意見はっきりさせなよ〜って。

 

でも実際問題、新築を建ててきた人たちはみんな一悶着二悶着を経験したんじゃないかと思います。

 

それを題材にしてこの映画を撮ろうと思うその発想がまずとても素敵だなと感じました。

 

バリバリのコメディではなく、人間あるあるネタが詰まった映画だと思います。

また私が歳をとったら見たいし、親と一緒にみたいですね。

 

ぜひ。